今日はピザの日!
ミーロはうなずいてあるきだしました。ファゼーロもだまってついて行きました。わたくしどもは、じつにいっぱいに青じろいあかりをつけて、向うの方はまるで不思議な縞しま物のやうに幾条にも縞になった野原を、だまってどんどんあるきました。その野原のはずれのまっ黒な地平線の上では、そらがだんだんにぶい鋼はがねのいろに変って、いくつかの小さな星もうかんできましたし、そこらの空気もいよいよ甘くなりました。そのうち何だかわたくしどもの影が前の方へ落ちているようなので、うしろを振り向いて見ますと、おお、はるかなモリーオの市のぼぉっとにごった灯照りのなかから、十六日の青い月が奇体に平べったくなって半分のぞいているのです。わたくしどもは思わず声をあげました。ファゼーロは、そっちへ挨拶するように両手をあげてはねあがりました。
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